INTERNATION DISPUTE
国際紛争
COLUMN 007
 
 国際紛争
 国と国との間に起こる紛争。広くは戦争も含めるが、普通、戦争にはいたらない程度のものをいう。

人類の歴史に紛争は絶えない。第2次世界大戦後55年間の武力紛争は95件でその内、冷戦後の約10年間は際立って増えて37件もある。その主なものは湾岸戦争、カンボジア武力衝突、アフガニスタン紛争、レバノン紛争、ソマリア内戦、北アイルランド紛争、チェチェン紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争、コソボ内戦等枚挙にいとまがない。武力紛争は、その防止に国際社会のあらゆる努力が断続されているにもかかわらず、減少することなく増加が続いているのである。特に冷戦後は米国・ロシア等の軍縮に対して第三世界には余剰の通常兵器が拡散し、大量破壊兵器の拡散の恐れも加わりむしろ軍拡の傾向にある。それだけ紛争発生の可能性が増大したといえる。

▼ 紛争の特徴

 限定戦争又は制限紛争
第2次大戦後は宣戦布告はまったく行われていない。核兵器が存在することから大国の全面戦争は相互に自滅する戦争となったので、可能性は低くなり実際に起こらずに冷戦が終了した。100件近く発生した紛争は、地域、戦闘手段等が限定(制限)されたものであることから限定戦争又は制限戦争(Limited War)と呼称される。
 
 民族紛争
民族対立が原因で発生した紛争でクルド族紛争、チェチェン紛争が挙げられる。
 
 宗教戦争
ユダヤ教対アラブ・イスラム教の対立による中東戦争、レバノン紛争、コソボ紛争及び北アイルランド紛争が挙げられる。民族と宗教とは密接な関係があり民族宗教が複合した紛争であることが多い。
 
 部族紛争(tribal war)
部族(tribal)とは氏族(clan)がさらに集合、発展した段階の集団であるが、民族ほど大きな組織ではない集団でおおむね500人〜数万人規模の状態を言う。アフリカ、南米アマゾン、ニューギニア等に多く存在するが、特にアフリカの部族紛争には国連や旧宗主国の介入が行われている。
 
 ゲリラ戦争(不正規戦争)
正規軍に対する非対称の戦いとしてゲリラによる戦争でベトナム戦争、アフガニスタン紛争、チェチェン紛争がそれに該当する。
 
 低強度紛争(LIC:Low Intensity Conflict)
武器使用を一定の範囲に収める紛争で一種の限定戦争である。
 
 非対称戦争
通常兵器の一方の優越を崩すために、正面の衝突は避け、相手の弱点を狙って奇襲的に行う戦争である。イラクのクエート侵攻、ソマリア内戦、ルワンダにおける国連軍と地元武装グループとの紛争が挙げられる。
 
 ハイテクとローテクの戦争
ハイテクの使用で一方的な国際多国籍軍の勝利は湾岸戦争、コソボ紛争は空爆だけによる対応で、トマホーク等多くのハイテク兵器が使用され、その威力を示した。一方、ローテクの武器が無差別に使用され多くの民間人の虐殺等、また戦闘終了後も無差別に人員に被害をもたらす地雷、拡散した小火器が国際的にもテロ等の無差別殺人及び麻薬等の国際犯罪者へ拡散し国際治安の乱れの地帯が大幅に拡大されつつある。
 
 インフォメーション・ウオーフェア(情報戦)
インフォメーション・ウオーフェアはコンピュータ及び通信網の発達によりクローズアップされた戦争の手段で、コソボ紛争では実際にインフォメーション・ウオーフェアの一部である相手の通信網へ電子攻撃を掛けるサイバーウオーが行われたという。湾岸戦争で見られるように、戦争の状況がマスコミにより逐一報道され、世論に与える影響は大きい。
 
 大量破壊兵器使用の恐れ
大量破壊殺戮兵器とは核兵器、化学兵器、生物兵器をいう。核兵器は広島・長崎で使用されて以来、実際には使用されることはなかった。その人類をも滅亡させかねない核兵器の発達と多量の蓄積は軍備管理・軍縮をもたらした。核兵器は大国間の全面戦争を抑止したといえる。化学兵器・生物兵器はいずれも禁止条約が存在するが、保有する国は多く、化学兵器はイラン・イラク戦争等で使用されたといわれる。核兵器を含め拡散とその違法的使用が懸念されるのが現在の紛争の特徴である。