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| WEAPONS MANUAL 009 |
M109 自走砲 [米、英、イ、小、輸]
西側各国で生産、配備されたベストセラー自走砲。1950年代中期に開発され、アメリカの戦後開発の自走砲としては2世代目。箱型の装軌式装甲車体の後部を戦闘室として、そこに密閉砲塔式に武装を搭載する自走砲の標準形式は、M109で完成されたといっていいだろう。搭載砲は23口径の155mm榴弾砲で、最大射程は14.6km。現在ではやや見劣りする。
2S3 アカーツィヤ 自走砲 [露、東]
1971年配備の旧ソ連軍第1世代の自走砲。軍名称はSO-152で、アカーツィヤ(アカシア)というニックネームを持つ。2A33
155mm榴弾砲を、対空ミサイルSA-4自走発射機と同じ車体に砲塔式搭載。射程は通常榴弾で17.3km、ロケット推進補助弾で24kmである。軽装甲防御力を持ち、限定的ながら対戦車直接戦闘も可能。威力は十分だが、最大射程が短い。
75式自走榴弾砲 自走砲 [日]
陸上自衛隊が国産開発した初の自走砲で、1960年代半ばから開発が始められた。車体はこの自走砲のために作られたオリジナルで、後部に戦闘室を設け、砲塔式に新開発の155mm榴弾砲を搭載。主武装の榴弾砲は砲身長30口径で、最大射程は19kmとM109を上回った。ただし採用後の改良を行わなかったので、現在ではM109の改良型より低性能となってしまった。
54-1式自走砲 自走砲 [中]
YM531の後部兵員室上部をオープンにして、122mm榴弾砲を搭載した自走砲。1984年に公開された。技術的には第二次大戦型の自走砲と大差ないが、中国の砲兵の機械化の遅れを解消するという点においては評価されるべき車輌である。
83式自走砲 自走砲 [中]
1984年10月の軍事パレードで公開された最新の152mm自走砲。ソ連の2S5を参考にしているのか非常に酷似している。152mm砲はソ連のD-20の中国バージョンである66式牽引砲を車載したもので発射速度は毎分4発。最大射程17.2kmといわれている。
新型自走榴弾砲 自走砲 [中]
1988年に公開された、中国の新型自走砲。旧東側では珍しく155mmの砲を装備している。砲身と同様に射程も長く、新開発の砲弾を使用した場合最大射程が30kmにもなるといわれる。
M109A3G 自走砲 [独、欧]
旧西ドイツはM109の西ドイツ仕様をM109Gとして採用していたが、これをさらに改良したのがM109A3Gである。もともとドイツ軍のM109は、エンジン変更に、砲尾栓を改良するなどして射程が向上していたが、A3G3では砲身を39口径の長砲身に換装し、さらに独自の改良を加えて、30km台の射程を実現。これによって90年代でも通用する性能を確保している。
G6 ライノ 自走砲 [他]
装輪装甲車体を使用した南アフリカのユニークな自走砲。1988年に配備開始した。独自開発された主砲G5
155mm榴弾砲は45口径と長砲身で、通常弾30km、ベースブリード弾で39kmという当時最高の性能を誇っており、アンゴラ侵攻作戦では敵砲兵の射程外からアウト・レンジすることができた。G6ではこれをオリジナルの6輪装甲車車体に搭載し、高い機動性を実現。
M109A6 バラディン 自走砲 [米]
西のベストセラー自走砲となったM109は、その後各種の改良が加えられた。A6はその最新改良型で、A1で採用された39口径砲の薬室、砲尾、マズルブレーキを改良して、最大射程を30kmに延長した。バラディンは新規生産ではなく、既存のM109を改良して製作された。A6改造によってM109は、当分アメリカ陸軍の主力自走砲として使われることになる。
2S19 モスタ 自走砲 [露]
T80の車体を元に作られたロシアの新型自走砲。戦車型の車体を流用し、もとの砲塔をすげ替える形で152mm砲装備の砲塔を搭載。砲塔は大型化するが、各種車輌に搭載できる。長砲身のカノン榴弾砲を採用。性能的には優れた自走砲で、最大射程は通常弾で24.7km、ロケット推進補助弾で30km以上に達している。自動装填装置を装備しており、持続した射撃が可能だ。
PzH2000 自走砲 [独、欧]
2000年代実用化を目指してドイツが開発した最新鋭自走砲。補助推進機構を持たない通常弾で30km台の射程を実現し、各車が独立した戦闘行動ができる自律的システムの搭載。また52口径もの長砲身の主砲を持ち、自動装填装置による高速射程や60発もの各種砲弾の車内搭載、トップアタック対策などが施された上面装甲などの欲張った性能を実現している。
SP2000 自走砲 [独、欧]
1986年11月。ドイツ、イギリス、イタリアによる共同開発が中止になったSP70にかわる次世代自走砲として1987年から開発がスタート。1990年には試作車が完成。1994年からは部隊運用テストが開始され、1995年には制式採用。1998年から量産開始予定。
155MkF3 自走砲 [仏]
AMX-13軽戦車のシャーシに、155mm榴弾砲を搭載した車輌で、1950年代に開発が始まった。小型の車体に155mm砲を搭載しているため、砲は車体上部で完全な剥き出し状態で置かれている。このため、他の自走砲に比べ防御力は低い。
155GCT 自走砲 [仏]
1980年代末から部隊配備が始まった自走砲。全周旋回式砲塔に155mm砲を装備し自動装填機構を備える。開発は1969年から始まり1972年には試作車が完成。1977年から生産が開始されている。フランス以外にはイラクとサウジアラビアが保有している。
AS90 自走砲 [英]
イギリスが90年から装備化を始めた最新鋭自走砲。足回りにチャレンジャーを一部流用している以外は、イギリス・VSEL社によって車体、砲塔を含め完成に新しい車体として開発された。砲はロイヤル・オーディナンス製の39口径155mm砲で、通常弾25km、低抵抗弾32kmの射程を実現。現在52口径の新型砲が開発中で、射程向上が見込まれる。
M110 大型自走砲 [米、日]
軍団以上の砲兵部隊に装備されて、強力な砲弾を遠距離に撃ち出す自走砲。ベースはこの種の自走砲用に作られた軽量砲架で、当初被空輸性が要求されたため、非常に小型だ。搭載砲は25口径203mm榴弾砲で、車体上に剥き出しで搭載。射程は16.8kmとそれほど長くなく、これはM110のひとつの欠点。また車体に砲弾は2発しか搭載できないので、M548弾薬車が随伴する。
2S7 ピオーン 大型自走砲 [露]
1975年から配備が行われた旧ソ連軍最大の自走砲。S-300対空ミサイルなどに使用されたMT-T装軌車をベースに203mmの長砲身カノン砲を搭載。車体も巨大だが、砲も相当巨大で、陸の怪物の趣がある。砲は車体上に剥き出しで搭載されており、最大射程は37.5kmもある携行弾数はわずか4発で、弾薬運搬には普通のトラックを使用。ピオーンとは石楠花という意味。
M110A2 大型自走砲 [欧]
M110の射程が短いという欠点を補うために製作されたM110改良型。1976年に制式化されたのがA1で、37口径の長砲身砲が取り付けられ、発射薬も強力なものが使用されるようになった。A2は1978年に制式化され、射程は通常弾で24km、ロケット推進補助弾では30kmに延びた。外観的には砲身先端に取り付けられた複板式マズルブレーキが特徴。
BM-21 グラード 自走ロケット砲 [露、東、輸]
新型の40連装チューブ型ランチャーをウラル375Dトラックの荷台に取り付けたロケット発射車輌。1964年に採用された。ロケット弾はDB-1Bと呼ばれ、射程は20.5km。命中精度は低いが、40発のロケットをわずか20秒で目標周辺地域に送り込む面制圧兵器としての威力は侮れない。西のハイテク兵器に比べて旧式だが簡便、安価で大量に揃える発想で作られた兵器だ。
75式自走ロケット砲 自走ロケット砲 [日]
陸上自衛隊の国産多連装ロケットランチャー。射撃統制システムが高級なのが特徴で、ジャイロコンパス、傾斜検知機、コンピューター、発射機シンクロ装置などを持つ。73式装甲兵員輸送車用に試作されたSUB-2シャーシを使用しており、上部に30連装のロケットランチャーを搭載。最大射程は14.5km。同一車体を使用した75式自走地上風測定装置もある。
LARS-2 自走ロケット砲 [独、欧]
旧西ドイツ軍が開発、装備した多連装ロケットランチャーシステム。1970年代から配備が開始され、NAN社製6輪駆動7tトラックに36連装のロケットランチャーを搭載。ロシアのカチューシャに類似している。射程は通常14kmであるが、最大25kmまで延長することもできる。15連装の軽量ロケットランチャーもあり、これはヘリコプターで空輸できる。
MLRS 大型ロケット砲 [米、英、イ、日、欧]
1982年部隊配備が開始されたアメリカ軍開発の新時代のロケットシステム。ベース車体にM2/3ブラッドレーのコンポーネントを使用し、装軌車体後部には箱型のコンテナ発射機を装備。2つのコンテナには12発のロケット弾が装備されている。射程は32kmで、目標地域上空に多数の子爆弾がばらまかれる。コンテナ1つの軽量発射システムも開発されている。
BM 9A52 スメーチ(スマーチ) 大型ロケット砲 [露]
1980年代後半に配備が開始された旧ソ連/ロシア軍の最新装備。巨大なMAZ-534-M8輪トラックの荷台を利用して12連装のチューブ状ロケット発射機を搭載。最大射程は70km以上。方面軍レベルの砲兵師団、砲兵旅団に配備され、超長射程を生かして敵砲兵の射程外からの制圧を任務とする。コントロールシステムも用意され、数両を専用指揮車から射撃管制することも可能。
BM-30 大型ロケット砲 [露]
旧ソ連軍は、第二次世界大戦から多連装ロケットのシステムを多用してきた。BM-30はスメーチ多連装ロケット発射機を自走化したものである。1983年に試作型が完成し1980年代後半に配備が開始された。
SS-1C スカッドB 戦略ミサイル [露、輸]
スカッドBは1961年に配備が開始されたロシアの短距離弾道弾スカッドの改良型。移動発射型は1965年に出現したものでMAZ-534P型8輪トラックを使用している。巨大なスカッドミサイルが、車体全体に横たわるように搭載されており、スカッドの射程は550km、通常弾頭だけでなく、核弾頭も装備可能だ。ただし命中精度はあまりよくない。湾岸戦争でイラクが使用した。
− 退役自走砲 −
M107 大型自走砲 [英、イ、小、輸]
M110と一対で開発された車輌。長射程で軍団以上の支援火力として使われる。ベースはM110と同じ軽量砲架を使用。M110以上に長大な175mmカノン砲を搭載し、車体とのアンバランスさが一層目立つ。最大射程は通常の弾丸で32.7kmもあり、これは世界一。性能は一級だったが、装備体系の整理のためM110に一本化され退役してしまった。